カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
でもお見合いだと気付き、突然閉口した奏音さんにお相手は笑顔でこう言ったという。

『もっとお話し、聞かせてください。話の内容もさることながら、あなたの生き生きとした表情は見ていて飽きません』

そう言われて返せるほど奏音さんはコミュ力が高いわけではなかった。

でも趣味を肯定してくれた、目の前の余裕ある年上男性に奏音さんの心は動き、内面を曝け出した。

『もうお気づきかと思いますが私、オタクです。インドア生活だし人と関わり合うのは苦手です』

お相手はホテルチェーンの御曹司。
妻となれば社交の場に出なければならないから釣書を見た時点でこの人はない、と奏音さんは思っていた。
でも。

『大丈夫です』

その返事に奏音さんは前のめりになったそう。

『僕は職場と家庭は分けたいので妻を公の場に連れ出すことはしません。それにオタクというのも、一つのものに愛情を注げるという意味でしょう?そういう方はもし誰かを好きになった時、一途に愛し続けるのだと僕は思うのです。そしてそれが僕であったらとても嬉しいとも』

そんな台詞を言われたら私でも落ちてしまうと奏音さんの惚気話を聞きながら思った。
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