カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

そこからニヶ月はとても慌ただしかった。
フォトスタジオに面接に行き、内定をもらい、退職願いを提出。
月城さんが採用した新しい男性の秘書に引き継ぎをして新生活の準備も進めた。

「わざわざ引っ越すことなかったんじゃないか?」

引っ越しの手伝いを月城さんはしてくれながら言っていたけど、なるべくスタジオに近い場所に住みたかった。
それに家賃の問題もある。
給料が減る分、少しでも節約しないといけないのだ。

「俺のところに来ればいいのに」

月城さんの申し出は丁重に断らせてもらった。
たしかにスタジオには近いけど。
月城さんと一緒にいたらその生活に浸かってしまい、何のために一念発起したのかわからなくなりそうだから。

「しっかりとフォトグラファーとしての基盤が出来た時にお邪魔させてください」

好意は好意としてありがたく受け取った上で答えれば月城さんも納得してくれた。

「よーし!頑張るぞ!」

社長や真紀、服部くん、それから奏音さんといった今まで出会ってきた人たちに見送られ、フォトグラファーとしての第一歩を踏み出した。
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