カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
胸がモヤっとした。
それは写真の腕前に嫉妬したからなのか、カメラを構える月城さんに向けた綾音さんの笑顔が気になったからなのか。
どちらなのかは定かでない。
でも胸がモヤモヤしている。
『男女の友情は成り立たない』
月城さんが言っていたのも思い出してしまった。

「あれは実体験から来る話だったんだ」

月城さんの過去に嫉妬したってキリがない。
ただ知っている人なだけ動揺してしまっている。
写真を残しておくくらい、月城さんの中で綾音さんは特別だったのかも。
そういえばオープンパーティーの時も親しそうだった。

気になる。
気にしたって仕方ないのに手元にある写真が気になって仕方ない。
こんなことしてはいけない。
そう頭では分かっているのにスマートフォンを手にして、その写真を撮ってしまった。

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