身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
気づけば土曜になっていた。今週はやたらと早く過ぎた感じだ。
電話では流されて約束してしまった。
あの後、激しく後悔したのだが、どのみち私の意思を伝えなければならないと思うから、今日はいい機会だと前向きに捉えた。
実は親を通して断ってもいいかな……ってちょっと考えていたのだけど。もうこうなってしまったんだから仕方ない。
いい大人だし、面と向かって話をしよう。
改めて自分の気持ちを確認し、部屋を出る。リビングに向かって「出かけてくるね」とひと声をかけて家を出た。
成さんからは、昨日の昼にメッセージをもらっている。
待ち合わせは渋谷駅近くのカフェに十時。
腕時計で時間を確認する。急がなくても余裕で着きそうだ。
それに今日は着物じゃないし、動きやすい。
たかが服装とはいえ、かなりリラックスしてる。
この調子なら、雰囲気に負けずはっきり断れそう。この間は着ているものも場所もシチュエーションも、なにもかも非現実だったからなあ。
電車に揺られ、乗り換えをして渋谷駅に到着する。
待ち合わせ時間まではあと十五分。約束の場所までは五分もかからないはず。
そして目的のカフェが見え、入り口で立っている成さんを見つけて思わず足を止めた。
遠目から見ると、カフェの利用客はもちろん、通りすがりの女性たちから注目を浴びているのが一目瞭然だった。
それもそのはず。長身で九頭身のスタイルは一般人離れしていて、立っているだけで絵になる。
服装も黒の細身パンツにオフホワイトのシャツ、ネイビーのチェスターコートできれいめシンプルな感じで似合ってる。
うっかり私もほかの女性と同様見入っていたら、彼がこちらに気がついた。
「梓さん」
彼は瞬時に笑顔になって、私の名を呼ぶ。瞬間、私の心臓はドクドクと騒ぎだした。
今日は緊張せずに過ごせそうと思っていたのに、成さんの言動ひとつで覆される。
電話では流されて約束してしまった。
あの後、激しく後悔したのだが、どのみち私の意思を伝えなければならないと思うから、今日はいい機会だと前向きに捉えた。
実は親を通して断ってもいいかな……ってちょっと考えていたのだけど。もうこうなってしまったんだから仕方ない。
いい大人だし、面と向かって話をしよう。
改めて自分の気持ちを確認し、部屋を出る。リビングに向かって「出かけてくるね」とひと声をかけて家を出た。
成さんからは、昨日の昼にメッセージをもらっている。
待ち合わせは渋谷駅近くのカフェに十時。
腕時計で時間を確認する。急がなくても余裕で着きそうだ。
それに今日は着物じゃないし、動きやすい。
たかが服装とはいえ、かなりリラックスしてる。
この調子なら、雰囲気に負けずはっきり断れそう。この間は着ているものも場所もシチュエーションも、なにもかも非現実だったからなあ。
電車に揺られ、乗り換えをして渋谷駅に到着する。
待ち合わせ時間まではあと十五分。約束の場所までは五分もかからないはず。
そして目的のカフェが見え、入り口で立っている成さんを見つけて思わず足を止めた。
遠目から見ると、カフェの利用客はもちろん、通りすがりの女性たちから注目を浴びているのが一目瞭然だった。
それもそのはず。長身で九頭身のスタイルは一般人離れしていて、立っているだけで絵になる。
服装も黒の細身パンツにオフホワイトのシャツ、ネイビーのチェスターコートできれいめシンプルな感じで似合ってる。
うっかり私もほかの女性と同様見入っていたら、彼がこちらに気がついた。
「梓さん」
彼は瞬時に笑顔になって、私の名を呼ぶ。瞬間、私の心臓はドクドクと騒ぎだした。
今日は緊張せずに過ごせそうと思っていたのに、成さんの言動ひとつで覆される。