身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
「こ……こんにちは」
「こんにちは。和服もよかったですけど、私服も可愛いですね」
臆面もなく褒められてどぎまぎする。
ストレートな表現は、海外仕込みなのかな。確か、この間まで海外赴任していたって話だったし。
だったら、ここは深読みせず単なる挨拶だと受け取るのがベストだよね。
「えっ。そ、それはどうも……。成さんのほうこそ素敵ですよ。周囲からも注目されるくらい」
「え? そうかなあ……」
成さんはつぶやいて、自分の服を確認し始める。
成さんって、自分の容姿が特別目立つって意識ないのかな。これだけ人で溢れかえっている中でもひと際目を引くのに。
すると、彼がなにかに気づいた様子で私を見た。
私が首を傾げると、彼は「ふっ」と柔和な表情を浮かべる。
「今日の服、ちょっと似てますね」
言われてすぐに私も自分のコーディネートを確認する。
私も黒のスキニーに白のボートネックシャツ。
羽織っているデニム生地のシャツだけが違っていて、ほかは色や形が似ている。
指摘されてたちまち恥ずかしくなる。
「ほ、本当ですね。なんかすみません」
「なんで謝るんですか? デートっぽくていいです」
彼は白い歯を覗かせて、さらっと言って退けた。
もはやここまでになれば、照れているこちらのほうが可笑しいのかなと思ってしまう。
私は咳払いをして気持ちを切り替え、冷静になってから話しかけた。
「成さん、早く着いていたんですか? それならカフェに入っていたらよかったのに」
「いえ。さっき着いたばかりだったので。お気になさらず。どうしましょうか。とりあえずなにか飲みますか? それとも移動しますか?」
どうしよう。会っていきなり本題を切り出すのも失礼だろうか……。
大体、今破談を申し入れる空気ではないのは確かだし……。もう少し様子を見つつ、頃合いを見計らうのがいいかも。
「こんにちは。和服もよかったですけど、私服も可愛いですね」
臆面もなく褒められてどぎまぎする。
ストレートな表現は、海外仕込みなのかな。確か、この間まで海外赴任していたって話だったし。
だったら、ここは深読みせず単なる挨拶だと受け取るのがベストだよね。
「えっ。そ、それはどうも……。成さんのほうこそ素敵ですよ。周囲からも注目されるくらい」
「え? そうかなあ……」
成さんはつぶやいて、自分の服を確認し始める。
成さんって、自分の容姿が特別目立つって意識ないのかな。これだけ人で溢れかえっている中でもひと際目を引くのに。
すると、彼がなにかに気づいた様子で私を見た。
私が首を傾げると、彼は「ふっ」と柔和な表情を浮かべる。
「今日の服、ちょっと似てますね」
言われてすぐに私も自分のコーディネートを確認する。
私も黒のスキニーに白のボートネックシャツ。
羽織っているデニム生地のシャツだけが違っていて、ほかは色や形が似ている。
指摘されてたちまち恥ずかしくなる。
「ほ、本当ですね。なんかすみません」
「なんで謝るんですか? デートっぽくていいです」
彼は白い歯を覗かせて、さらっと言って退けた。
もはやここまでになれば、照れているこちらのほうが可笑しいのかなと思ってしまう。
私は咳払いをして気持ちを切り替え、冷静になってから話しかけた。
「成さん、早く着いていたんですか? それならカフェに入っていたらよかったのに」
「いえ。さっき着いたばかりだったので。お気になさらず。どうしましょうか。とりあえずなにか飲みますか? それとも移動しますか?」
どうしよう。会っていきなり本題を切り出すのも失礼だろうか……。
大体、今破談を申し入れる空気ではないのは確かだし……。もう少し様子を見つつ、頃合いを見計らうのがいいかも。