8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
そこに、ロジャーが駆けつけてきた。
「どうした」
「給仕の男がひとり、自殺したそうです。敷地の端で倒れているのを先ほど発見されました。遺書がありまして、フィオナ様と恋仲だったそうで、オスニエル様の隣で幸せそうにする彼女に嫉妬し、昨晩のカクテルに毒を盛ったと書かれていました」
「あら、フィオナ様ったら使用人と浮気をしていたなんて」
人がひとり死んだというのに、ジェマはにやりと笑うだけだ。オスニエルはジェマを睨む。
フィオナが孤児院に行く以外に後宮から出ていないことくらい、オスニエルだって知っている。おそらくはジェマは裏で手を回し、給仕の男を陥れ、これを心中事件として片付ける気なのだろう。
「本当に自殺だと断定できるのか?」
「同じ厨房付きのメイドが、そんなはずはないと証言しております。彼には、下町に結婚を約束した女性がいたそうで……彼の名誉のためにも、しっかり調べることが大切かと」
「そうか。これに関してはまだ公表せず、しっかり裏付けをとるように。フィオナが厨房に出入りしていたなんて話も聞いたことが無い」
「はっ」
「それと……」
オスニエルはちらりとジェマに視線を向ける。
「君からもちゃんと話を聞いたほうがよさそうだ。ロジャー、ジェマ嬢からも聞き取りを行うよう、近衛兵に……」
ジェマをロジャーに託そうとしたとき、ポリーが慌てた様子で走ってくるのが見えた。
「あれは、フィオナの侍女か?」
「あっ、オスニエル様」
ポリーはオスニエルを見つけると、泣きながら近づいてくる。
「どうしましょう。少し目を離したうちに、フィオナ様のお姿が消えてしまったんです!」
オスニエルは血の気が引いていくのがわかった。
「嘘だ」
「本当なんです。申し訳ございません」
泣き崩れるポリーをロジャーに任せ、青ざめたまま、オスニエルは後宮へと向かった。
「どうした」
「給仕の男がひとり、自殺したそうです。敷地の端で倒れているのを先ほど発見されました。遺書がありまして、フィオナ様と恋仲だったそうで、オスニエル様の隣で幸せそうにする彼女に嫉妬し、昨晩のカクテルに毒を盛ったと書かれていました」
「あら、フィオナ様ったら使用人と浮気をしていたなんて」
人がひとり死んだというのに、ジェマはにやりと笑うだけだ。オスニエルはジェマを睨む。
フィオナが孤児院に行く以外に後宮から出ていないことくらい、オスニエルだって知っている。おそらくはジェマは裏で手を回し、給仕の男を陥れ、これを心中事件として片付ける気なのだろう。
「本当に自殺だと断定できるのか?」
「同じ厨房付きのメイドが、そんなはずはないと証言しております。彼には、下町に結婚を約束した女性がいたそうで……彼の名誉のためにも、しっかり調べることが大切かと」
「そうか。これに関してはまだ公表せず、しっかり裏付けをとるように。フィオナが厨房に出入りしていたなんて話も聞いたことが無い」
「はっ」
「それと……」
オスニエルはちらりとジェマに視線を向ける。
「君からもちゃんと話を聞いたほうがよさそうだ。ロジャー、ジェマ嬢からも聞き取りを行うよう、近衛兵に……」
ジェマをロジャーに託そうとしたとき、ポリーが慌てた様子で走ってくるのが見えた。
「あれは、フィオナの侍女か?」
「あっ、オスニエル様」
ポリーはオスニエルを見つけると、泣きながら近づいてくる。
「どうしましょう。少し目を離したうちに、フィオナ様のお姿が消えてしまったんです!」
オスニエルは血の気が引いていくのがわかった。
「嘘だ」
「本当なんです。申し訳ございません」
泣き崩れるポリーをロジャーに任せ、青ざめたまま、オスニエルは後宮へと向かった。