8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
「こんなことをしている場合じゃないだろう。フィオナを助けるために動くことが先決だ」
「こんなに冷たくなっているのに、生きているわけがないだろう!
「ただ死んだにしては、冷たすぎるんだよ! まるで氷漬けにされているみたいじゃないか」
確かにそこは疑問点だ。言われて、トラヴィスは一瞬フィオナの方を向く。その隙をついてオスニエルは、トラヴィスの腹めがけて蹴りを加え、壁際に吹き飛ばした。
「……っぐう」
「まだまだ甘いな」
言うが早いか後ろ手に掴み上げる。
「いてて」
「暴れられても困るんだ。……フィオナには不思議な力があるようだった。それは聖獣の加護だと言っていたが」
「嘘だ。フィオナは加護を得られなかった。だから俺は……フィオナをずっと守ると誓ったんだ」
トラヴィスはそう言うが、オスニエルはフィオナが氷を出したのを見ている。それに、ドルフが聖獣であることも、それを言おうとした瞬間、ドルフがトラヴィスの頭を後ろ脚で蹴り上げた。
「……ぐっ」
トラヴィスは意識を失い、ぱたりと倒れる。
「ドルフ、お前何をするんだ」
『私の正体を知っているのはフィオナとお前たちだけだ。他のものに明かす気はないのでな』
大きな狼の姿に戻り、フンと鼻息を荒く鳴らす。
「こいつ……フィオナには加護がなかったと言っていたが、本当なのか?」
『ああ。十三歳の儀式の頃のフィオナには、加護をやるだけの資質がなかったんだ。俺は甘ったれたガキは好きじゃない』
冷たく言うドルフに、オスニエルはあきれた視線を投げかける。
「その割にはペットとしてずっと飼われていたんだろう?」
『俺があいつをペットとして飼ってたんだ』
ドルフの主張はよくわからないが、オスニエルは様々な疑問を脇に避けることにした。
「こんなに冷たくなっているのに、生きているわけがないだろう!
「ただ死んだにしては、冷たすぎるんだよ! まるで氷漬けにされているみたいじゃないか」
確かにそこは疑問点だ。言われて、トラヴィスは一瞬フィオナの方を向く。その隙をついてオスニエルは、トラヴィスの腹めがけて蹴りを加え、壁際に吹き飛ばした。
「……っぐう」
「まだまだ甘いな」
言うが早いか後ろ手に掴み上げる。
「いてて」
「暴れられても困るんだ。……フィオナには不思議な力があるようだった。それは聖獣の加護だと言っていたが」
「嘘だ。フィオナは加護を得られなかった。だから俺は……フィオナをずっと守ると誓ったんだ」
トラヴィスはそう言うが、オスニエルはフィオナが氷を出したのを見ている。それに、ドルフが聖獣であることも、それを言おうとした瞬間、ドルフがトラヴィスの頭を後ろ脚で蹴り上げた。
「……ぐっ」
トラヴィスは意識を失い、ぱたりと倒れる。
「ドルフ、お前何をするんだ」
『私の正体を知っているのはフィオナとお前たちだけだ。他のものに明かす気はないのでな』
大きな狼の姿に戻り、フンと鼻息を荒く鳴らす。
「こいつ……フィオナには加護がなかったと言っていたが、本当なのか?」
『ああ。十三歳の儀式の頃のフィオナには、加護をやるだけの資質がなかったんだ。俺は甘ったれたガキは好きじゃない』
冷たく言うドルフに、オスニエルはあきれた視線を投げかける。
「その割にはペットとしてずっと飼われていたんだろう?」
『俺があいつをペットとして飼ってたんだ』
ドルフの主張はよくわからないが、オスニエルは様々な疑問を脇に避けることにした。