FUZZY
「ん〜〜ビールの旨さが体中に染み渡る〜〜」
そんなこんなでやってきたのはパーティー開場からさほど遠くない大衆居酒屋。週末ということもあって店内は賑わっている。
「いい飲みっぷりだね」
「一杯目が肝心のだからね。碧生くんも飲んだらいいのになんでウーロン茶?お酒の気分じゃなかった感じ?」
「ううん。空腹時にアルコール入れてダメな酔い方したことがあるから、同じ失敗しないように一杯目はウーロン茶から!って決めてるんだよね」
へへ、と白い歯が覗く。
……か、かわいい。わんこやー。もふもふさせてほしいなー。これだけでお酒のつまみになりそうだもん。
あと、お酒の飲み方を自分で分かってる子でびっくりしちゃった。
私、結構飲みに行くこと多いけど明らかに「あー、この後絶対吐くなー」「アル中なるぞー」とかね。キャパ考えずに飲んでる大学生を見かけるから。その点、碧生くんはしっかりしている。素晴らしい。はなまるあげちゃう。
いや、違うな…。
「ゼミの単位あげちゃう!」
「なにそれ」
「おばさんなりのユーモアあふれるボケだと思って受け止めて」
「ユーモアあふれるボケに関しては俺も理乃さんに満点あげちゃいたいところだけど、自分のことをおばさんって言ったのは減点対象となりまーす」
「(舌ぺろした、うわ〜ん、かわいいよ〜)」
「俺からしたら理乃さんは大学生名乗っても違和感ないからね」
「えっ!?!それは嬉しい。嬉しいけどさすがに大学生は無理があるというか」
「居酒屋行って年齢確認されたことない?」
「あ、あるなあ…何度か」
「でしょ。理乃さん、いい意味で童顔だから。可愛くて愛でたい」
………年下に愛でたいって言われてしまった。甘々すぎだな、碧生くん。