FUZZY




当日、私と侑芽はとあるビルの5階女子トイレで諸々の最終チェックをしていた。


「ここは出会いの場だけど戦場だからね。気合い入れなきゃ殺やられるわよ」


侑芽はトイレの鏡に顔を近づけてマスカラをまつ毛にぐいぐい当てている。

いつもより濃いめのアイライン、マツパもしてぱっちりおめめ。ノーズシャドウ引いて鼻を高くしてみた。ほんのりピンクを頬と唇に乗せて髪をゆるく巻き、ハーフアップに。

あ、これ全部侑芽に影響された私の今日の姿だったりします。なんだかんだで侑芽よりも気合い入ってるんじゃない?





会場に入ると同志(?)がそわそわしていた。

本気だ。ここは、うふふあははの世界じゃない。侑芽が言ったとおり〝戦場〟。


簡単なプロフィールカードを記入して、胸元に名前が書かれた名札を付ける。パーティーの流れを一通り説明されたらすぐに開始となる。

独特な空気に慣れていない為、しっかりと周りを見ていなかったが男性の姿もちらほら確認できて目に力をグッと込める。いい人いるかな。


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