FUZZY





と。


ある一角にピンクのオーラを纏った女性たちが集まっているのが見えた。周りにいる男性には目も暮れず、吸い込まれていく感じ。

侑芽はモードに入っているので放っておいて私はその集団に近づいてみる。だって気になるじゃん。めちゃくちゃイケメンが参加してるのかもしれないし。

背伸びをして覗いてみる。



…………え、うそ。

いやいや、え?……えぇ?

幻覚かと思って目を擦ろうとして手が止まる。だめだ、マツパしたから擦れない。

どうしても受け入れられない私は咄嗟に手の甲を摘む。


「いたっ!」


…………どうやらここは現実世界みたいだ。

もう一度覗いてみても、その存在は確かなもので。キラッキラしている。輝きを放ちまくっていて摘んだ手の甲よりも目が痛い。


ねえ、いるよ、あの子が。



ーーー理乃さんの爪、かわいいね
ーーー理乃さんが会社の上司だったら頑張れそう



半年前に一夜を共にしたあの子が。


碧生くんが。




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