My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~

オーディションを受けた理由を話した涼に、拍手する舞。


「よく立ち直って、ここまで頑張りました~」


「いやいや。渚のおかげだよ」


「初めて見たときから思ってたんだけど、涼くんって渚ちゃんの事、好きだよね?」


「えっ?あんなガキっぽいの、彼女には無理だよ?」


同級生に「いつも渚と一緒にいる」とか、「渚の事が好きなんだろ?」などと言われた時に言う嘘。

もう言い慣れていて、いつものように照れ隠しでそう言った。


すると舞は神妙な面持ちで、立ち上がった。


「涼くんがいいなら、それでいいんだけど……
このままだと渚ちゃんは、紫音に取られちゃうよ?」


「えっ……!?」


なんとなく気付いていた事だが、はっきり言われると、ショックを受ける涼だった。




< 53 / 116 >

この作品をシェア

pagetop