LOVEPAIN⑥
「お前、さっきから何ジッと見てんだよ?」
私の視線が、
佐藤雲雀の股間辺りに向いていたからか
顔を上げて佐藤雲雀と目が合うと、
不敵に笑っている
「また、犯して欲しいか?」
声を潜めて、そう呟く
今回のミュージックビデオの撮影で音声は必要ないからか、
音を拾うマイクの機器はない
なので、周りにはその佐藤雲雀の言葉は聞こえていない
一番近くに居るカメラマンですら、
3メートル程離れている
「なぁ、こないだ中で出したけど、
妊娠しなかったか?」
私を追い込むように、
言葉を続けて来る
顔を見ると、
心底それを楽しんでいる
そして、この人は私を本当に憎むように嫌いなんだ