LOVEPAIN⑥


「わ、私は…。
もう、あの事は忘れました」


悔しくて、そう言い返すけど、

負けたように目を逸らしてしまう



スタジオの隅に居る成瀬の方へと、

救いを求めるように目を向けてしまう




成瀬は私の異変に気付いたのか、

首を少し傾げ、
こちらを見ている





「まだ、あのマネージャー好きなのか?」


その言葉ですぐに成瀬から視線を逸らし、

再び、佐藤雲雀に向けた




「あのマネージャー、
前の打ち上げの時。

俺がお前に誘われたからヤッたって言ったら。

だから、って普通に返されたぜ」


クスクス、
と笑いながら耳障りな声で囁いて来る



悔しい



悔しくて、泣けて来る



だけど、絶対に泣きたくなんてない


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