LOVEPAIN⑥


「思い切り吸い付いたら、

思わず噛んじゃって」


笑っているが、
その笑みから悪意が感じられた



佐藤雲雀は再び、

私のその首筋の傷口に吸い付いて来る


今度は、優しく




「あ、あのちょっと…」




佐藤雲雀は、
ゆっくりと顔を上げた





「こんなの、舐めてたら治るだろ」




その傷口を場所が場所だけに見れない私は、

それがどの程度の傷かは分からない



今も、傷口はズキズキと痛む


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