LOVEPAIN⑥
◇
事を終えると、
私は秋原慎太郎に背を向け布団を深く被った
自分の姿を、隠すように
「――広子ちゃん」
秋原慎太郎の手が、
私の髪をすっと撫でる
男らしい大きな手
そのまま、後ろから抱き締められた
その手が、
私の髪から頬へと移ると、
秋原慎太郎の体に力が入るのが分かった
「泣いてるの?」
驚いたように言葉にするが、
優しく私の涙を指で拭ってくれる
セックスを終えた途端
無性に空しくなってしまい、
涙が溢れて来た
「私、なんで…こんな事してんだろう…」
なんで、こんな事になったのだろうか
成瀬の為とは言え、
なんで私は簡単にこの人と寝てしまったのだろうか
なんで、好きじゃない人とばかりと、
私はセックスしているのだろうか
しないと、いけないのだろうか
そんな自分自身が何の価値もないような人間に思えて来て、
辛くて涙が溢れてしまう