LOVEPAIN⑥




事を終えると、

私は秋原慎太郎に背を向け布団を深く被った


自分の姿を、隠すように




「――広子ちゃん」


秋原慎太郎の手が、
私の髪をすっと撫でる



男らしい大きな手




そのまま、後ろから抱き締められた




その手が、
私の髪から頬へと移ると、

秋原慎太郎の体に力が入るのが分かった





「泣いてるの?」


驚いたように言葉にするが、

優しく私の涙を指で拭ってくれる




セックスを終えた途端



無性に空しくなってしまい、
涙が溢れて来た




「私、なんで…こんな事してんだろう…」



なんで、こんな事になったのだろうか



成瀬の為とは言え、

なんで私は簡単にこの人と寝てしまったのだろうか



なんで、好きじゃない人とばかりと、

私はセックスしているのだろうか


しないと、いけないのだろうか




そんな自分自身が何の価値もないような人間に思えて来て、

辛くて涙が溢れてしまう


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