LOVEPAIN⑥


「広子ちゃん。
今日は一緒に居てくれて、
ありがとう。
おかげで、今夜は泣かなくて済んだから。

いい感じに、ぐっすりと眠れそう」




ありがとう、と言われて、

ほんの少しだけ、
気持ちが軽くなった



こんな馬鹿な事をしている私だけど、

彼の失恋した心の辛さをほんの少し和らげてあげれたのならば



それに、こんな形でも私を必要としてくれたみたいで喜びを感じる




「広子ちゃん。
お願い、1つなんでも聞いてあげる。

約束だったから」




“――じゃあ、広子ちゃんのお願い、
1つだけなんでも聞いてあげよっかな――”




体を差し出した見返りで、

私は1つ秋原慎太郎にお願いを聞いて貰える



それが、此処に来た目的




今の私が、彼に1つだけお願いがあるとすれば


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