LOVEPAIN⑥


「だって、べつにナツキは彼氏じゃないし、
隠す理由なんてないもん!

ナツキが思ってるように、
ナツキとの約束を破って私は他の男と――」



「ナツキさん!
まぁ、もういいじゃないですか」


そう声を出したのは涼雅で




涼雅は私を庇っているように見えるけど、

本当は、ナツキが傷付かないように私の言葉を止めたのだろう





「ま、いいけど。

べつに、俺は広子の彼氏じゃないし」


ナツキは立ち上がり、

私を見下ろすように睨んで来る



「首、付いてるけど?」



「え?」



ナツキに言われ首を触るが、

何も付いていない



ただ、傷口に触れたからか、
痛んだ




あっ


撮影の時、

佐藤雲雀に傷付けられた箇所……

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