LOVEPAIN⑥
「首にそんなキスマーク付けて帰って来られたら。
信じたくても、信じらんないし」
これは違うと言いたいけど、
そう説明する事に、
何の意味もないような気がした
もう、私の嘘はバレているから
「私の事なんか、
信じてないくせに」
私自身、ナツキに信頼して貰えるように行動はしていないと思っている
だから、信頼して貰えているなんて、
微塵も思っていない
「俺は広子を信じてるから、
ここ迄会いに来たんだけど」
その口調には、
先程迄の刺々しい感じは無かった
「俺がどれだけお前に会いたいか、
分かんない?」
私は何も応えられなくて、
俯いてしまう
「今日だって、お前に会いたくて、ずっと部屋で待ってて……。
なのに、あんなメール寄越して来て……」
私も謝って、私だって会いたかったとか言ってしまえば、
きっと、このまま何事も無かったように収まるかもしれない
ナツキだって、
その方が傷付かないと分かっているのに
そんな言葉が、出ない
いっその事、
この場でナツキと終わらせてしまおうか、
と考えているから