LOVEPAIN⑥


「鈴木広子、ごめんな」



「ううん」



涼雅は、悪くない




「部屋のチャイム鳴って、

勝手に出た俺も悪いんだけど……」



「涼雅は、何も悪くないから」




ナツキにしても涼雅にしても、

私に謝って来る



何故、馬鹿な事をしている私を責めてくれないのだろうか?



涼雅だって、

こんな風になったのは自業自得だとか言って、

私を責めればいいのに





私は疲れて、
床にそのまま腰を下ろした



着ているダウンを脱ごうと思うけど、

そんな事すらも面倒臭く感じた



せめてダウンのチャックを閉め、
ジッパーを上迄引き上げていたら、

佐藤雲雀が首に付けた痕は見えなかっただろうか?



もう今さら、
そんな事を考えても仕方ないけど

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