LOVEPAIN⑥


「俺、帰る。
涼雅君、ありがと」



「あ、はい」



ナツキは涼雅の方を一度振り返り、

そのまま私の横を黙って通り過ぎて行く




私は目でナツキを追うように、

振り返った




その背中がとても哀しんでいるように見える――




「ナツキ、車で来ているならば、

運転だけは気を付けて……」



「うん。分かった……」


ナツキはこちらを振り向かず、

スニーカーを履くとそのまま部屋から出て行った


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