LOVEPAIN⑥
「私、今日はもう帰るね」
ナツキとこれ以上一緒に居ない方が、と思う事もそうだけど、
頭を掠めるのは妊娠の二文字。
ベッドから出ようとする私の腕を、ナツキが掴んだ。
「アフターピルだっけ?
前に広子が持ってるって言ってた。
そんな薬持ってても、持ち歩いてないと意味ないでしょ?」
ナツキの私の腕を掴む力が強くなる。
「痛い、手を離して」
「前にとある女の子と話してたんだけど、
その子大好きな彼氏が居るのに、
その彼氏の友達に無理矢理ヤられてその彼氏の友達の子供を、妊娠したんだって」
何故、そんな話を私にするのか?
そして、ナツキは一体何が言いたいのか?とその目を見るが、
その目は以前、私に対する増悪で満ちている。
「じゃあ、その女の子、大好きだったその彼氏と別れて、
その彼氏の友達の方と結婚して子供を産む事にしたんだって。
あ、でも、結局その子供はダメになって、まー、その彼氏の友達とも子供が居なければ、と終わったみたいだけど」
「ナツキは、何が言いたいの?」
なんとなく漠然と、ナツキの言いたい事が分かってはいるけど。
「女って、そうやって妊娠したら好きでもない男の子供でも産もうと思ったり、その憎いような男とでも結婚考えたりするんだって」
「だから、私の事も妊娠させようとしているの?」
私のその言葉に、ナツキが口の端を上げた。