LOVEPAIN⑥
「別に、てめぇとヤろうと思ってこの車借りて来たわけじゃねぇけど」
睨んでいるのか分からないけど、
篤は横目で私を見る。
暗闇の中、至近距離で篤と目が合い、
もう死ぬんじゃないかってくらいに、心臓がドキドキとしている。
篤は、そっと左手で私の右手を握った。
突然の事で、私は驚いて、
その繋がれた手に視線を向ける。
「わざわざこんな山の中迄迎えに来てやったんだ、
手ぐらい握らせろ」
その言葉に篤の顔に再び視線を戻すが、
視線が合う前に、篤は私から視線を反らした。
篤の手はお酒のせいなのかとても暖かくて、
そのぬくもりに涙が出そうになった。
あの夜も、私は篤と一晩中手を繋いでいた。
あの時も、篤の手はとても暖かかった。
今やっと、何故私は篤が好きなのか分かった。
今も成瀬が好きだからナツキを好きになれなかった私なのに、
なんで篤を好きになったのか。
手ぐらい、と言った篤は、
もうこれ以上私に何かをする事はないだろう。
今、妙な空気になっていたから、
篤から先にそう言ってくれたのかは分からないけど。
あの一晩中篤の部屋で過ごした夜もそうだけど、
花子の事で篤の部屋で会う事があっても。
篤は、私に何もしない。
こんな仕事をしているからか、
関係を持った男性達がそんなのばかりだからか。
私は心底、男性のそう言った欲望にうんざりしているのかもしれない。
そういう事一切なしで、私を見てくれるから、
私はこの人を好きになったのだろう。
もしかしたら、それだけではないのかもしれないけど。
睨んでいるのか分からないけど、
篤は横目で私を見る。
暗闇の中、至近距離で篤と目が合い、
もう死ぬんじゃないかってくらいに、心臓がドキドキとしている。
篤は、そっと左手で私の右手を握った。
突然の事で、私は驚いて、
その繋がれた手に視線を向ける。
「わざわざこんな山の中迄迎えに来てやったんだ、
手ぐらい握らせろ」
その言葉に篤の顔に再び視線を戻すが、
視線が合う前に、篤は私から視線を反らした。
篤の手はお酒のせいなのかとても暖かくて、
そのぬくもりに涙が出そうになった。
あの夜も、私は篤と一晩中手を繋いでいた。
あの時も、篤の手はとても暖かかった。
今やっと、何故私は篤が好きなのか分かった。
今も成瀬が好きだからナツキを好きになれなかった私なのに、
なんで篤を好きになったのか。
手ぐらい、と言った篤は、
もうこれ以上私に何かをする事はないだろう。
今、妙な空気になっていたから、
篤から先にそう言ってくれたのかは分からないけど。
あの一晩中篤の部屋で過ごした夜もそうだけど、
花子の事で篤の部屋で会う事があっても。
篤は、私に何もしない。
こんな仕事をしているからか、
関係を持った男性達がそんなのばかりだからか。
私は心底、男性のそう言った欲望にうんざりしているのかもしれない。
そういう事一切なしで、私を見てくれるから、
私はこの人を好きになったのだろう。
もしかしたら、それだけではないのかもしれないけど。