LOVEPAIN⑥
「前にも言ったけど、
俺、客から電話掛かって来んの、嫌なの。
自分から掛けるのはいいんだけど。
それに、今は広子も居るし」
ナツキは再び、
アイスを食べ始めている
ナツキは私がいるから、
電話を早く切ったわけではない
むしろ、それを切る理由にしただけ
プライベートな時間に、
ナツキはお客さんから電話が来る事を嫌っている
自分からお客さんに電話をする分には、
それは仕事なのだと割り切っているみたいだけど
前に一度、訊いた事がある
ならば、プライベートの携帯電話と仕事の携帯電話を分けて持ち、
掛かって来たら嫌な時は
仕事用の携帯電話の電源を切ればいいんじゃないか?と
「だって、今さら。
それに俺、仕事と分ける程、
プライベートで交流のある人間居ないし」
ナツキには昔からの友達が数人居るが、
一応連絡先は知っているだけで、
今は全く交流はないみたい
こちらに出て来てから就職した家電量販店での知り合いは、
今は誰一人と連絡先すら知らないみたい
なのでプライベートでは、
数人のホスト仲間と連絡を取るのと、
私だけみたい
あ、後、ナツキのお母さん