LOVEPAIN⑥


「はい」


ナツキはその電話に出ると、

作ったように笑っている




「あ、今、うん。
ちょっと友達と一緒で」




そう言われて、
確かに私はナツキの彼女ではないのだと、

改めて思った



もし彼女でも、
お客さんにはそう嘘を付くのだと思うけど





「うん。大切な友達。

そいつ、今ちょっと不貞腐れてるから、
切るね」


ナツキはそう言って私を見て笑うと、

電話を切った





「お客さんに対して、
そんな態度でいいの?

いつも思うんだけど」



ナツキはいつも、

お客さんから掛かって来た電話に、そっけない


一応、愛想よく笑ってはいるけど


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