LOVEPAIN⑥
「あの連中、金村監督が勝手に連れて来た奴らみたいで、
WDSは関与してないって話なんだが…。
まぁ、こっちもそんなヤバイ奴ら使うなんて話が違うってすげぇキレてやったら、
今回の賠償はそれで相殺された感じだ。
やっぱ大手はその辺り融通利くな」


「もしかして、金村監督がそうやってやらかしてくれるように、
それも計算でした?」


‘ーー社長さん、今日は俺の好きなように鈴木広子を撮ってくれていいからってさ。ーー’


「まぁ。
あの監督をこの世界から追放してやりたかったが、そこまでは無理だったのが心残りだな。
暫くは大人しくしてるだろうけど」


そう言った成瀬の顔が怖くて、私に対して言ってるわけではないけど、
体がゾクリと震えた。


「そうそう。
お前の携帯、会社名義からお前個人に変えれるように委託の書類がこれ。
で、契約満了の書類がこれ。
ま、こんなもんか」


成瀬はその二枚の書類を、デスクの上に置いた。


「お前も篤も、あのマンションそんなにすぐに出て行かなくてもいいから。
適当で」


「それが、篤今日不動産屋さんに行ってます。
多分、近いうちに出て行くみたい」



ある程度、事前にネットで物件のあたりはつけていたから。


「お前は?」


「篤と一緒に出て行きます。
一緒に暮らすんです」


この先も、一緒に暮らそうと篤に言われている。


私もそれを喜んで了承した。


「そうか。
一応伝えておくが、お前の父親、今は食品工場で派遣だけど働いてて、
あのアパートに居るみたいだ。
篤と一緒に暮らすなら、もうあのアパートには戻らないだろうけど」



そうなんだ。


今も腹は立つけど、そうやって父親が元気にやってるみたいで良かった。



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