レモンキャンディーにさようならを
古賀先生はずっとこの学校にいてくれるような気がしていたのに。

私が卒業しても、ずっと。


ここに来れば会えるって思ってたのに。


ちょっぴり大人になった私を見て、嬉しそうな、懐かしそうな表情で、無事に成長したことを褒めてくれる。

そんなふうに思ってたのに。




でも。


ずっと同じ場所にいてくれるなんて、私の都合の良いわがままだったのかも。




大好きなふりかけごはんを口に入れても、何の味付けも感じない気がする。



箸が止まってしまった。






その時、裏庭に近づいてくる誰かの足音がした。



……えっ!?




驚いて箸を落としかけそうになっちゃった。




だって近づいてきたのは、古賀先生だったから。





「あれ?川越さんもここでお昼ですか?」

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