レモンキャンディーにさようならを
教室では相変わらず古賀先生の噂話が飛び交っている。



私はお弁当が入った小さな鞄を片手に、フラフラと教室から逃げた。




どこに行こう?

裏庭ならあまり人がいないかも。

ジメッとしてて、人気ないし。


わたしは重い足取りで裏庭へ向かう。






本当は何も食べたくない。

でもせっかくお母さんが作ってくれたお弁当を残したら、きっと心配をかける。


そんなの、私の目指す良い子じゃない。




「……いただきます」


ベンチに腰掛けて、手を合わせて、呟く。




キラキラ輝く卵焼き。

ほんのり塩味のきいたブロッコリー。

ウインナーはタコの形。



黙々と食べる。


咀嚼するたびに、頭の中にある言葉が浮かぶ。





「淋しい」





堪え切れず、声に出してしまう。




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