Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 それに本当にどうして、私なんかをそんなにバンドに入れたいのだろう。

 そんなことを考えながら、私は響斗くんに向けてぎこちなく笑った。



 放課後、いつも一緒に帰っている沙菜ちんに、「用事があるから今日は一緒に帰れないんだー」と言って、私はひとりでこっそり旧校舎に入った。

 旧校舎内は全然人気がなくて、廊下はしんとしていた。

 ――第二音楽室って、どこなんだろう。

 全然わからなかったけれど、音楽室なら一階にはなさそうだから、とりあえず階段を上がる私。

 すると、かすかにだけど何かの音が聞こえてきた。

 耳をひそめながら、階段を登る。

 すると、音が段々大きくなってきた。

 あの音はギターと……ベースって言うんだっけ?

 よく知らないけれど、そんな感じの音に聞こえた。

 第二音楽室は、二階の一番端っこにあるようだった。

 階段を上がりきり、廊下を進んでいくとどんどん音が近くなってくる。
 
 誰かが何かを演奏しているような音だった。

 そして私ははっとする。

 この曲……。STAR STARTの「RE:START」だ!

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