Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 色白で髪の毛が少し茶色がかっていて、その辺の女の子よりもきれいな顔をしている響斗くん。

 誰にでも優しくて穏やかで、男子からも女子からも人気がある。


「そ、そうだけど……」


 げ、私の歌声聞こえてたのか。

 恥ずかしすぎる。
 
 穴があったら入りたい。

 っていうか、私の歌声を聞いて、なんでふたりは入ってきたのだろう。

 もしかして、下手すぎるから笑いに来たとか……?

 きっとそうだ。

 ふたりもSTAR STARTが好きで、私があまりにもド下手だから怒りに来たんだ……。
 
 
「おい、詩乃」


 律くんが低い声で言う。

 私は「は、はいっ」と怯えながらも返事をした。
 
 律くんは、響斗くんとは対照的で、不愛想で近寄りがたいタイプ。

 男子からは慕われているみたいだけど、女子とはあまり話していない。

 それでも、サラサラとした黒髪に、アイドルみたいに整った顔のせいか、一部の女子からはモテている。

 私にとっては恐れ多くて近づくことすらためらう存在だけどね。


「あのさあ、お前」


 私をじっと見る律くん。

 怒られる、と身構える私。
 
 ――しかし。

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