Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 一気に緊張して、私はごくりと生唾を飲み込んだ。

 そんな私に向かって、響斗くんは得意げに笑ってパソコンの画面に映っている感想欄を指さした。

 ――そこに、書いてあったのは。


『ギターとベースはとても安定している。ボーカルは、高音がちゃんと出ていないな。音程もたまにずれている。もっと練習が必要』

「ええ……ショック……」


 そりゃ、バンドでボーカルなんてあの時初めてやったし、律くんや響斗くんに比べたら下手で当然だとは思うけど。

 それでも、実際にそんな感想を目の当たりにしちゃうと、やっぱりへこむものがある。


「まだ続きがあるよ」

「え?」


 響斗くんが画面をスクロールする。

 するとさっきまでは見えていなかった、感想の続きが表示された。


『だけどなぜか、この女の子の歌声にはとても元気をもらえた。技術だけではないいものを持っているように思った。これからも頑張ってください』

「え……」


 信じられない気持ちだった。

 私の歌で、元気に?

 私の歌を聴いた人を、元気にすることができたの?

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