俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「この本、人気ありすぎて、市立図書館でも随分先まで予約待ちだし。本屋で買おうにも最近俺、金欠でなかなか買えなくてさぁ。
寝てる間に、本が夢にまで出てきたよ」


そっ、そんなに読みたいと思ってたの?


「なぁ、いいだろ? 美月?」


「わっ、私は良くても、それ……そもそも、前島くんの本だよ?」

「じゃあ、あのムカつくメガネ野郎に、俺が本借りて良いか許可取ってくる」


一之瀬くんが、前島くんの席へと走っていく。


……ムカつくメガネ野郎って、前島くんのことをそんな呼び方するなんて。


最近、一之瀬くんは私の前では普通に……と言えば良いのかな?


素のままで、話すようになったなって思う。


以前と比べて、たまに言葉遣い悪いときがあるし、口調も違うから。


それにしてもムカつくって……。前島くんは、一之瀬くんに別に何もしてないのにね?


変な一之瀬くんだなぁ。


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