俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


それから気になることが1つ。


ここ最近の朝陽くん、以前にも増して元気がなさそうなんだよね。


元々色白の顔が、更に白くなっているような……どことなく顔色が悪い。


マスクも、ふたりで図書館に行った翌日以降、毎日つけてるし。大丈夫かな?



「あの、朝陽くん。最近元気ないみたいだけど……大丈夫?」


どうしても気になった私は、朝陽くんに声をかけた。


「…………」


朝陽くん、無反応。


というよりなんか、ボーッとしてる?


読んでいる本もさっきからずっと、同じページを開いたままみたいだし。


「あっ……朝陽くん!」

「えっ、あ、古賀さん。何?」


久しぶりに朝陽くんに名前を呼ばれたけど……同じクラスになってからずっと『美月』って呼ばれていたから。


彼に『古賀さん』って呼ばれると、なんだかすごく違和感がある。


「あの、最近ちょっと元気がないみたいだけど、大丈夫?」

「……そう? 古賀さんの気のせいじゃない?」


冷たい声。よく知っている声のはずなのに、抑揚がないせいか、知らない人の声のように聞こえる。


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