俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


それから数日が経ち……。


「おはよう、朝陽くん」

「……はよ」


私は、自分から朝陽くんに何かしら声をかけるよう努めていた。


「朝陽くん、昨日の数学の宿題やった?」

「……ああ」

「応用問題のところ、難しくなかった?」

「……いや」


……会話が終わってしまった。


話しかけても返ってくるのは、YESかNOのたった一言だけ。


無視されるよりはマシだけど、突然のこの変わり様はやはり戸惑う。


今までは、朝陽くんのほうから私にグイグイ来ていたのに。

ここ数日は、私から話しかけてばかりで立場が逆転だな。なんか変な感じだけど。


彼の私への態度のあまりの急変ぶりに、見た目は朝陽くんなのに、中の人が変わってしまったんじゃないかとさえ思ってしまう。


「朝陽くん。今日も授業、頑張ろうね」


今まで朝陽くんが私にしてくれたように、諦めずに話しかけていれば、何かが変わるかな? と思って。


今はそう信じるしかない。


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