ツキミチカフェにようこそ
「店長、これ次の満月のスペシャルメニュー。満月バーガープレート」
「満月バーガー?」
 思わず覗き込んでしまった。さっきのサンドイッチも美味かったが、この満月バーガーもものすごく美味そうだ。

 バンズには下からレタス、トマトの輪切り、ハンバーグパテ、そしてスライスチーズが乗っていて、さらにその上にバンズサイズに焼いた半熟の目玉焼きが乗っている。
 上に乗る予定のバンズの半身は本体に斜めに立てかけられてオシャレな感じを演出している。かかっているケチャップやとろけたチーズ、半熟卵の相乗効果で涎が出そうなほどに美味そうだった。

「付け合わせはブロッコリーの素揚げと枝豆、ポテトはカレー味にしてみた」
「スパイシーなフルムーンバーガーだな」
 日野さんは無造作に大口を開けて頬張ると、うん、と大きく頷き親指をグッと立てた。
「樹生も天才だ。これは売れる」
 樹生さんは満足そうに座ると、ボクに向いて聞いてきた。
「甘いもん、苦手か?」

 あ、と思って慌ててかぶりを振る。
「あまり好んでは食べませんけど、苦手ではないです」
 慌ててプリンとソースを掬い、口に入れる……と、プリンが、とろけた。
 美味い。すごく美味い。ただ甘いだけじゃない。素材を生かす甘さとでもいうのか。鼻に抜けるバニラの香りが凄くいい。これ……杏に食べさせたい。
「すげぇ美味いです、利津さん」
 利津さんは振り向くと、ほんの少し口角を上げて頷いた。
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