ツキミチカフェにようこそ
三時からの客は三十代くらいの女性グループで、全部で十六人。室内の四人がけテーブル席に案内すると、高田さんが「後はやるから水とおしぼり持ってきて」と小声で言った。
カウンター横の備品置きからおしぼりを取り、コップに水と氷を入れる。と、そのコップに利津さんが薄いレモンを一切れずつと、ミントの葉を入れた。
「ありがとうございます」とお礼を言うと「ん」とだけ言ってキッチンに引っ込む。無愛想だけど気遣いしてくれてるのかな、と思う。
テーブルに水とおしぼりを持っていくと、高田さんがメニューの説明をしていた。
「今日は新月なので、セットのお茶はデトックスティーの他にパワーウィッシュティーもご用意があります。パワーウィッシュティーは当店オリジナルのハーブミックスでして……」
パワーウィッシュ、ってなんだ? 頭の片隅にその単語を記憶させ、水とおしぼりを置いていく。ひとめで学生とわかるであろうボクに、いちいちお礼を言ってくれる。品の良さそうな方々だな、という印象だった。
「佐島くん、次はこっち。セッティング手伝って」
カウンターに戻ってきた高田さんにアフタヌーンティーセットのセッティングを教わる。これが十六人分か……かなりの重労働だ。
「新月と満月の日限定のアフタヌーンティーセット、大人気でさ。今日のお客様の目当てはこれだね」
「新月と満月、ですか」
もしかして、さっきのパワーなんとかも関係あるのかもしれない。
長方形の、繊細な模様が彫られた高そうな木のトレイにティーカップ、紙ナプキン、フォーク、ナイフ、スプーンをセット。
ガラスのティーポットには高田さんが棚から取り出した幾つかのキャニスターから、茶葉をそれぞれ一杯ずつ入れていく。
「お湯沸いた」
利津さんからやかんを受け取り、ティーポットに注いでいく。ふと覗き見たキッチンでは、あの人がシェフなんだろうか。黒髪に切長の目の男性がサンドイッチを器用に盛り付け、何か葉っぱらしきものを乗せている。
「よし。行くぞ。お茶熱いから気をつけて」
高田さんと二人、十六人分のセットを順次運ぶ。正直カフェの接客、舐めてた……酔っ払いに絡まれないからまだしも、カフェも重労働であることには変わりない。
カウンター横の備品置きからおしぼりを取り、コップに水と氷を入れる。と、そのコップに利津さんが薄いレモンを一切れずつと、ミントの葉を入れた。
「ありがとうございます」とお礼を言うと「ん」とだけ言ってキッチンに引っ込む。無愛想だけど気遣いしてくれてるのかな、と思う。
テーブルに水とおしぼりを持っていくと、高田さんがメニューの説明をしていた。
「今日は新月なので、セットのお茶はデトックスティーの他にパワーウィッシュティーもご用意があります。パワーウィッシュティーは当店オリジナルのハーブミックスでして……」
パワーウィッシュ、ってなんだ? 頭の片隅にその単語を記憶させ、水とおしぼりを置いていく。ひとめで学生とわかるであろうボクに、いちいちお礼を言ってくれる。品の良さそうな方々だな、という印象だった。
「佐島くん、次はこっち。セッティング手伝って」
カウンターに戻ってきた高田さんにアフタヌーンティーセットのセッティングを教わる。これが十六人分か……かなりの重労働だ。
「新月と満月の日限定のアフタヌーンティーセット、大人気でさ。今日のお客様の目当てはこれだね」
「新月と満月、ですか」
もしかして、さっきのパワーなんとかも関係あるのかもしれない。
長方形の、繊細な模様が彫られた高そうな木のトレイにティーカップ、紙ナプキン、フォーク、ナイフ、スプーンをセット。
ガラスのティーポットには高田さんが棚から取り出した幾つかのキャニスターから、茶葉をそれぞれ一杯ずつ入れていく。
「お湯沸いた」
利津さんからやかんを受け取り、ティーポットに注いでいく。ふと覗き見たキッチンでは、あの人がシェフなんだろうか。黒髪に切長の目の男性がサンドイッチを器用に盛り付け、何か葉っぱらしきものを乗せている。
「よし。行くぞ。お茶熱いから気をつけて」
高田さんと二人、十六人分のセットを順次運ぶ。正直カフェの接客、舐めてた……酔っ払いに絡まれないからまだしも、カフェも重労働であることには変わりない。