ツキミチカフェにようこそ
 十六名のグループの他に、単発の客も何人か入った。男性客が一人と二人組の女性客が二組。どうやら来るのは圧倒的に女性が多いらしい。そして、女性客はみんな「新月のアフタヌーンティーセット」を頼んだ。

 接客の合間に聞こえてくる会話から「新月の願い事」と言うのを拾い上げた。後、「ドリームマップ」というのも。いったいなんのことなのかボクにはまったくわからないが、みんな楽しそうに話してて、中にはノートを広げメモを取っている人もいた。

「お疲れ様。初めてでいきなりこきつかっちゃってごめんね」
 ある程度客が引き、キッチンの洗い場で皿を洗っているときに高田さんにぽん、と肩を叩かれた。
「いえ。体力はある方なんで大丈夫です」
「五時になったら一旦閉めるから、その時に休憩しよう。樹生のことも紹介したいし、夜の部は店長も来るから」
「はい」

 泡だらけの手をざっくり洗い流し、布巾で手を拭きつつ壁にかかった時計を見る。あと二十分か。
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