諦 念

▪▪動揺


一瀬がドイツで家具職人に
なっていたのには
びっくりしたが。

栞那も大丈夫と言うことで、
少しホッとした。

専務からも、きちんと栞那に
話があった。

それにしても、
恵・事、石田 恵には
びっくりした。

大学の時に付き合っていたが
お互いに就活が忙しくなり
その上、恵は地元に帰る事もあり
別れたんだ。

もう、完全に忘れていた。

俺と恵が話していると
栞那から、
「課長、先に戻ります。」
と、言われて
あっ、紹介もしなかったと
思っていたが
恵に話をされて
話しながら社に戻った。

社内で栞那を探したが、
どこにもいなくて
会議室に戻ると
栞那は、ギリギリに戻り
メンバーと一緒に座った。

一瀬の作る物は
本当に素晴らしかった。

次の休憩で栞那は
自分の仕事に戻り
打ち合わせに行く。

夕方、一緒に行った、
海野だけ戻ってきて
「三瀬さんは、直帰される
そうです。」
と、言ったから
「そうか。お疲れ様。」
と、言うと
「あの、課長、三瀬さんと一瀬さんは、
知り合いですか?」
と、言われて
「ああ、海野は知らないか
一瀬は、前、大林にいたんだ。」
と、言うと
「あ~、だから、一緒に出て
行かれたのか。」
と、言ったから
「一緒に?」
と、言うと
「丁度、一瀬さんが帰社するのと
一緒になったみたいで、
一緒に出て行かれましたよ。」
と、言われて、なんと答えたか
定かではないが。

部署に戻り仕事をして帰社する事に·····

仕事も通常なら直ぐに終わることを
何度も見直して倍以上かかってしまい
止めることにした。

栞那にLINEするが
既読にならず
歩いていると
栞那と一瀬が見えた。

仲良さそうに
何かを見ている

栞那の笑顔に
蟠りがとれてホッとするのと
やはり、一瀬が良いのか
と、思ってしまう
情けない!

取り敢えず
自分のマンションに戻る。
栞那にも、そうLINEをした。

部屋につき着替えをして
夕飯の準備をする。

少しすると
《 連絡出来なくてすみません。
夕飯は、軽く済ませました。
このまま、自分のマンションへと
帰ります。
朝陽さんも、ゆっくりして下さい。 》
と、返信があり
《 話がしたい 》
と、送信すると
《 私も。ですが明日に。 》
と、来たから
《 わかった。 
西山、旧姓、石田は、大学の同級生で
大学の時に付き合っていた。
だが、そんなことすら
忘れていた。
栞那に誤解されることは、さけたい。》
と、返信すると電話がなり
「栞那?」
「ごめん。本当は少し悲しかったの。
それと、一瀬さんと話したの
沢山、謝罪してくれたよ。」
「そうか、良かった。
嘘······だ、見たんだ。
二人がいるのを·····
仲良さげな二人を見て
やはり····と、思った
だが、俺はずっと栞那を
想ってきた。
だから、簡単には渡さない。
いや、渡せない。
栞那が俺ではダメだと
嫌だと言われたら
仕方····ない···が·····
それでも、俺は、ずっと
栞那を想っている。」
と、プライドも何もなく伝えると
「ない、ないから、絶対にない。

私は、朝陽さんが好き
朝陽を愛してる。
光輝に対しては、同期で
素晴らしい家具職人さんだと
それだけよ。」
「ばかっ、電話で言うなよ。」
と、言い
「俺も栞那を愛してる。」
と、伝えと

その後に、
栞那から相談されたから
栞那の思うようにやればよいと
答えた。

良かった·····お互いに話せて
と、栞那も朝陽も
そう·····思った。
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