諦 念
6〗
▪▪サムシングブルー
式場のスタッフの方から
何十倍増しに綺麗にして頂いた。
父と明奈は、泣いて喜んでくれた。
朝陽さんは、控え室の入り口に
佇んで····
「「朝陽君、十川さんのあんな顔が
みられるなんて!!」」
と、二人は泣き笑いをしていた。
「朝陽さん?」
と、声をかけると···
「····ご··めん··あまりにも
綺麗で····こんな人が
俺のお嫁さんだ··なんて·····」
と、言うから
私は、真っ赤になり
父と明奈は、嬉しそうな顔をしていた。
そこへ、朝陽さんのご両親が
入ってきて
お義母様は、私を見て
「美しい、綺麗。」
と、大絶賛。
お義父様も頷いてくれていた。
私は、自分の結婚式には
サムシングフォーを取り入れたい
と、ずっと思っていた。
朝陽さんは、
「栞那の思うようにやれば良いよ。」
と、言ってくれていた。
« サムシングフォー »
*サムシングオールドは·····
母が、結婚式で着た
ウェディングドレスのティアラには
ブルーの宝飾がちりばめられて
作られていたから
それを受け継いだ。
*サムシングニューは·····
朝陽さんから腕時計を頂いた。
文字盤が、ブルーで
とてもおしゃれなペアの時計。
*サムシングボロウドは·····
お母様からサファイアのイヤリングを
お借りした。
お義母様は、「もらって」
と、言ってくれたが、
代々受け継がれた指輪も頂いた。
だから、お借りすることにした。
*サムシングブルーは·····
ウェルカムドリンクのグラスに
ブルーのリボンを付けて頂いた。
サムシングオールド**古いもの
サムシングニュー***新しいもの
サムシングボロウド**借りたもの
サムシングブルー***青いもの
小さい頃、何かで読んだ本に
載っていたサムシングフォー。
素敵だと、ずっと憧れていた。
光輝と付き合っていた時も
いずれは····と思っていたが·····
もう、私の憧れはないのだと
諦めていた。
だけど·····
朝陽さんが、私を救い出してくれて
愛してくれた。
そして、私の願いを叶えてくれた、
優しくて、かっこ良くて
仕事も出来る朝陽さん····
私には、もったいないような男性
だけど、もう、誰にも渡しませんから
ずっと、ずっと、一緒にいて
下さいね。
サムシングブルー······
末永い幸せを······朝陽·····と。
私が見つめるサムシングブルーに
気づいていて
朝陽さんは、私をそっと
抱き締めて
「幸せになろうな。」
と、言ってくれた。