きっと100年先も残る恋
22時前に私のアパートに戻ってくる。

床に座ると、さっきのお店で帰り際渡された、クリスマス柄の袋に入ってた飴を雄介が舐める。

私は駅からの帰り道に購入した温かいお茶を、ペットボトルのまま唇につけて飲む。

「英子もいる?」

飴のこと?
雄介の持つ袋を見る。

「まだあるの?」

そう聞くと雄介の口元が笑った。
意味深。

そのままゆっくり顔が近付いてくる。

受け止めようと目を閉じると、唇をナチュラルに開けられる。

雄介は舌で押し出すように飴を私に入れてきた。

抵抗する間も無くすんなり入ってきた飴。

雄介は仕事を終えたように、あっさりと唇を離す。

ほんの僅かな一瞬の出来事。

口の中でそれを少し転がす。
私の動く口先をただ見つめる雄介。

雄介がまた顔を近づけてくる。
私の口を開けるように舌が潜り込んできた。
私の舌を皿にして、飴を舐める。

私たちは二人で一つの飴を舐め合った。

雄介が軽く歯で咥えた飴を、私が舌先で舐める。

雄介と目が合う。
その目元が笑っている。

遊んでいるみたい。
っていうより、本当に遊んでるんだ。

いつのまにか服の中に入ってきてた雄介の手の触感が心地よくて、時間も忘れてキスをし続けた。

< 26 / 75 >

この作品をシェア

pagetop