きっと100年先も残る恋
19歳のクリスマスイブ。
私の部屋のベッドの上で、私は初めての経験をする。

「大丈夫?」
「痛い」
「やめる?」
「大丈夫」

私たちは入り口で止まったまま進まなくなっていた。
この姿勢になって5分くらい経過している。

そうは言っても、メリメリというかギシギシというか。
世の女性は、一体どうやって入れてるんだろう。

雄介もさっきから「きっつ・・・」とこぼしてる。

「今日これ無理かもね」

雄介が言う。

「別に今日じゃないとダメってわけじゃないし」

そう呟く顔は完全に諦めてる。

「えー、せっかく腹くくったのに」
「腹くくるって」
「嫌なことは後回しにしたくないな」
「嫌なことって」

苦笑する雄介と暗闇の中で目が合う。

「最後までやる?」
「やる」

気持ちを入れ替えて再チャレンジする。
二人とも姿勢を一度リセットした。
なんとなく布団や枕の位置も整える。

「せーので入れるとか」
「待って、無理だよそれは」
「ピアス開ける感じで」

ピアス。
バチコンッと、勢いだけで耳たぶを貫通する、あれ。
もう少しセクシャルなイメージだったのに、そっちに近いのかもしれない。
いつかは乗り越えないといけない壁だけど。

今日できなかったとしたら、できる日が来るんだろうか。

「じゃあ、私が『せーの』って言うから」
「分かった、英子のタイミングでいいよ」

色気も何もない。

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