きっと100年先も残る恋
明るい未来
年明けには、雄介はすっかりブームストックの編集部でボランティアのような立ち位置にハマっていた。
もちろん誌面にも載るけど、誌面を作る方が面白いようだ。

家に原稿を持ち帰ってくることもある。

「それ、ボランティアでやってんの」

意気揚々とそれらをテーブルに並べる姿に、思わず聞いてしまった。

「ちゃんとやったら、手当追加されてる」

そう言って笑う。
元気な雄介が戻ってきた。

大学も3年までの間に全単位を取得してたのもあって、卒業は余裕らしい。

「デザイナーとかそっちの方も面白そうなんだよね」

そう言って、ハッと思い出したように私を見上げる。

「そうだ、今度美術館行かない?」

急な誘いに「え?」とつい拒否反応のような顔をしてしまった。

「行こ」

あまりにも普通に言う。
この我慢を溜め込んできたような2年間はなんだったんだろう。

それでも世間的には普通に雄介はイケメン人気モデルというイメージで生き続けている。
前のように行けるわけじゃない。

だけど私たちは、白昼堂々とデートをすることにした。

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