夜が明けていく。
「あっ!肝心なボーカルの自己紹介がまだだった!はいっ、空翔の番だよ」

「あっ、やっぱり俺もなんだ。え〜青山空翔(あおやまそらと)、キャトクルのボーカルです。これから宜しくな」

「ちなみに空翔は作詞作曲もしてて、曲のアレンジは俺なんだよ〜凄いでしょ!」

「はい、凄いです!私、キャトクルさんの曲が好きです。大好きです!あっ・・・・・・」

私は思わず前のめりで答えてしまい、恥ずかしくなった。

「ありがとう。この前も今も」

青山さんは優しく微笑んでいた。

「さぁ、自己紹介の最後は君だよ〜。張り切ってどうぞ!」

「えっ、張り切って?えっ、あっ、赤木華(あかぎはな)です。えっと、えっと、17歳です」

「華ちゃんって言うんだ〜可愛い名前だね。17歳ってことは、高校生だよね?」

「はい、高校3年生です」

「うわ〜高校生か。俺らと6歳も違うんだね。華ちゃん可愛いからモテるでしょ!彼氏とかいるの?」

「えっ!?かっかれっ」

ゴホンッ!

私が慌てていると、伯父が分かりやすく咳払いをした。

「詳しい自己紹介は追々していくとして、とりあえず落ち着いて食べなさい」

「は〜い、せっかくこれから盛り上がるところだったのにな〜」

黄島さんは少し残念そうにしていたけれど、伯父が制してくれて正直助かった。

彼氏は愚かクラスメイトとも疎遠になっている。

高校をまともに通っていないのだから、当たり前だよね・・・・・・

これからここで暮らすということは、私が学校を休んでいることに気付くだろう。

その時のことを考えると、少し不安に感じた。
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