蒼春
『あ、いや…えっと…。』

『『なにしたの?』』

この雰囲気で倒れたとか絶対言えない…!

『せ、生理に、なっちゃって…。お、お腹めっちゃ痛かったし、ナプキン持ってなかったから、ほ、保健室に…、行ってました…。』


『えー、大丈夫だった!?今は?今は大丈夫なの?』

楓が母親みたいに、いや、それ以上に慌てている。

『辛いなら無理しなくていいからね?私たちに頼ったりしてもいいから…』

雪は私の顔をじっと見ながら言う。

『は、はい。』

なんか、ここまで心配されると嬉しいな…。つい心の中で笑ってしまう。


『そういえば、入学式ってどうなったの?点呼するって聞いたんだけど。』

『あー、そろそろだと思う。はー、やっとだよ。渋滞だから遅れてもしょうがないけどさ。』

みんな結構待ちくたびれているようだ。

『ねぇねぇ、話変わるんだけどさ、乃蒼ちゃんのさLINEまだもらってないからよかったら教えてくれない?』

楓たちと話してた子たちが話しかけてくる。

『そうそう!さっきまでみんなでLINE交換してたの。私もいい?』

近くにいた子たちからも言われた。

『う、うん…。』

どうしよう、そんなに多くの人にLINE教えたことないな…。というかあの子たちのアカウントが入ってるLINEなんてもう見たくないから、中学の時から1回も開いてない。まず使えるのかすら怪しい。


…昨日確認しとけばよかったなぁ。

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