蒼春
午後は体育祭。相変わらず私は準備に追われている。


実は、午前の前日祭のクイズ大会で1-1は準優勝という結果を残した。

優勝を逃してしまい、クラスの中には涙を流す子もいた。

焼肉にみんなで行けなくなったのが、何より悔しかったらしい…。

でも私のクラスは最高だ。なんと担任の先生のおごりで焼肉は復活したのだ。

そして今に至るというわけだ。

私はバレー部のマネージャーなので、徳島先輩と一緒にコートの準備をする。

体育祭の種目の中にバレーがあるのだが、正直言って、全校が堂々とイケメンを見るために用意されているようなイベントなのだ。

そんなことを思いながらコートをセッティングしていく。

…やっぱりポール重いなぁ。

でもそう感じてるのは先輩も同じ。そう簡単に頼るわけにはいかない。

『乃蒼ちゃん〜。私ちょっと先生から体育祭用のバレーボールもらってくるね。』

『わかりましたー。』

おっと…体育館に1人になってしまった。

実はこの準備の裏では、サッカーの試合が行われている。その前にはバスケの試合もあって、イケメンの秋元先輩は相変わらず女子の黄色い歓声を浴びていた。

『『『秋元先輩がんばれー!!』』』

「俺たち、この状況には負けたな…。」

観覧席の半分以上が女子だった。この状況を見ていたバレー部のイケメンたちの顔を見ると、想像以上に青ざめていた。

いやいや、あなたたちの時もこんな感じになりますよ?わかってます?

そんなことを考えながら準備を進めていると、手元が軽くなり、持っていたはずのポールが急に姿を消した。
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