婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
(きっと心配して、反対する)

 それに、あんなやつとはいえ一応イリムは元婚約者なのだ。レナートからすれば、いい気持ちではないかもしれない。
 レナートには秘密でロンバル軍の情報を探ろう。オディーリアはそう決意した。従軍さえできれば、兵士たちから話を聞くのはそう難しいことではない。

「なにを考えている?」

 レナートはオディーリアの細い腰を引き寄せると、背中からすっぽりと包みこむように抱きしめた。

「俺といるときは俺だけを見てろ。他のことに気を取られているなんて許せないな」
 
 冗談とも本気ともつかない口調で言って、彼はオディーリアのうなじにキスを落とす。そのまま背中に舌を這わされ、オディーリアの身体はびくりと小さく跳ねた。
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