婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
その夜のこと。少し遅れて部屋に入ったオディーリアを、待ちわびていたレナートが出迎えた。
「遅かったな」
(驚くかな? 怒るかな?)
オディーリアは期待半分不安半分で、おそるおそる口を開いた。
「う、うん。クロエとマイトと少しお喋りしてたの」
「お前……」
レナートは大きく目をみはった。オディーリアの声は鈴の音のように清らかなものへ変わっていた。
「ごめんなさい!」
「解毒剤を飲んだのか。捨てたはずだったのに」
レナートは怒っているというよりは呆れているようだった。
「マイトが拾ってくれてたの。それでこっそり私に」
「まったく。あいつは目端がききすぎるな」
オディーリアは弁解するように言葉を重ねた。
「マイトを怒らないでね。私が声を取り戻したがってたのを知ってたから……」
「白い声などいらないと言ったろ。それに俺はお前のしわがれた声が気に入っていたのに」
レナートにそう言われてオディーリアはしゅんと肩を落とした。
「この声は好きではない?」
するとレナートはむっとした様子で、オディーリアの腰を引きよせた。頬にキスを落としながら言う。
「そうは言ってない。今の声も好きだ。透き通るように綺麗でお前によく似合う」
「遅かったな」
(驚くかな? 怒るかな?)
オディーリアは期待半分不安半分で、おそるおそる口を開いた。
「う、うん。クロエとマイトと少しお喋りしてたの」
「お前……」
レナートは大きく目をみはった。オディーリアの声は鈴の音のように清らかなものへ変わっていた。
「ごめんなさい!」
「解毒剤を飲んだのか。捨てたはずだったのに」
レナートは怒っているというよりは呆れているようだった。
「マイトが拾ってくれてたの。それでこっそり私に」
「まったく。あいつは目端がききすぎるな」
オディーリアは弁解するように言葉を重ねた。
「マイトを怒らないでね。私が声を取り戻したがってたのを知ってたから……」
「白い声などいらないと言ったろ。それに俺はお前のしわがれた声が気に入っていたのに」
レナートにそう言われてオディーリアはしゅんと肩を落とした。
「この声は好きではない?」
するとレナートはむっとした様子で、オディーリアの腰を引きよせた。頬にキスを落としながら言う。
「そうは言ってない。今の声も好きだ。透き通るように綺麗でお前によく似合う」