ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 ピッと社員証をかざし会社に入る。
自分の部に入ると既に松田が出社していた。

「あ、水野さんおはようございます」

「おはようございます、早いのね」

「そりゃ新人ですから早めに来ないと!」

「偉いわね」

「てか水野さん、俺の昨日の話覚えてます?」

 まさか松田自身から昨日の話題を出してくるとは思いもしていなかった。
 いや、思いたくなかったのかもしれない。

「ん、忘れた」

「忘れたって絶対覚えてるでしょ? それとももう一回思い出させてあげましょうか?」

 いつの間にか私の顔の真横に松田の顔が来ていた。
 振り向いたら唇が当たりそうなくらい近い。
 恋愛経験値の低い私にこの近さはかなりハードルが高すぎて、心臓の高鳴りが鳴り止まない。
 ドッドッドッと身体を裂くんじゃないかと思うくらいうるさい。
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