ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。

嫉妬に狂いそうなんです

「水野さん、おはようございます」

「おはよう、松田君」

 毎朝出勤して初めに挨拶するのは決まって松田だ。松田が入社して以来、最初の頃はこの時間が苦痛でしかなかったのに今では唯一会社で二人きりになれる時間。
 最近ではすこーしだけ早く出勤している自分がいる。

「昨日会ったばかりなのに、早く会いたくてたまらなかったです」

「っつ……そ、そうね」

 土日はたっぷりと松田との時間を過ごし、途中で誠が乱入してくる事件もあったけれど、とても有意義な時間を過ごせた。

(さ、三回もエッチしちゃったしね……)

「顔が真っ赤になってますよ? 何か思い出しちゃいました?」

「なっ! ち、違うわよ! 思い出してなんかいない!」

 スッと松田は私の耳元に顔を寄せ「昨日の真紀、すっごくエッチで可愛かったですよ」と小さな声で囁きデスクに戻って行った。

(もーーーー!!! 絶対わざとだ!)

 熱くなった顔を手でパタパタと仰ぎ私もデスクに腰を下ろす。
 パソコンに届いているメールをチェックし、今日の仕事に使う資料をパソコンのファイルにまとめる。
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