ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 もう会えないのか……と落胆した日々、それでも毎日朝はやってきて学校に行き、帰ってきたらバイトに向かった。

「いらっしゃいませー」

「こんにちはっ! 今日は新商品を置かして頂けるとのことで商品をお持ち致しました」

 突然の彼女の登場に思考回路が追いつかなかった。何も返事を出来ない自分に彼女は「店長さんからは許可を貰っているのでちょっと売り場を作らせて頂きますね」と言い黙々と作業を始めた。

 今日来るなら来るって前もって教えておいてくれよ、と店長を少し恨んだ。そしたらもっと髪の毛もビシッと決めて少しでも彼女にカッコ良く見せたかったのに。

 彼女の真剣な横顔に見ていると吸い込まれそうなにる。
 今日話しかけないともう会えないかもしれない、そう思っているのになかなか言葉が出てこない。喉の奥に何かが詰まっているかのようだ。
 聞きたい事、言いたい事はあれほど毎日考えていたのに、いざ本人を前にすると何も言えないただの子供だ。
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