ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 駅前にある海鮮居酒屋は個室になっていて二人で話をするにはちょうどいい場所だ。
 お店の外で誠が来るのを待っていると、すぐに前方から誠が向かってくるのが見えた。今日も完璧な可愛さで、水色のロングコートの中には白いニットワンピにスラッとした脚のラインが綺麗に出ているデニムで更に脚が長く見える。それに引き換え私は仕事終わりでボロボロの顔にシワシワのスーツ。比べる余地もない。

「誠さん、今日は来てくれてありがとう」

「いいよ、私も話があったし、寒いからさっさと入ろ」

 スタスタと私の横を通り過ぎお店に入っていく誠を追いかけるように店に入った。
 入って目の前にある大きな水槽には小走りな私とは正反対の魚達が優雅に泳いでいる。
 店員さんに奥の個室に案内されお互い無言で個室に入り向かい合って座った。
 なんとも言えないピリついた空気に気が重くなる。

「で、話って何よ」

 先に沈黙を破ったのは誠の方だった。
 案内と同時に用意されたお冷をグッと半分飲み干し話す覚悟を決める。
< 198 / 232 >

この作品をシェア

pagetop